姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
……多分、握手だ。



だがエリアルはというと、
それを見ずに立ち上がり、礼儀正しくお辞儀をした。

「孝がいつもお世話になっています。
孝の家にホームステイをしているエリアルです。
はじめまして」


表向きに考えた、事情を織り交ぜたエリアルの言葉に、
保健医の手は、行き場を無くした。



エリアルは気付かない。


お互いの文化を尊重したあまり、
どっちも台無しになった挨拶と自己紹介。 




両方まとめて、ざまあみろ。
< 28 / 292 >

この作品をシェア

pagetop