姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
「あの、すいません。こいつ足がこんなもんなんで、
今日一日、端っこで見学、
っていう形で大丈夫ですかね?」


長い廊下を歩きながら、
先生が俺を指差して、先頭を歩くシスターに尋ねた。

彼女は振り向くと、



「ええ、構いませんよ。

……申し遅れました。

私、セレナ=エステバンと申します。

宜しくお願い致します」



やっぱ、本物の外国人なんだ。




俺は奇妙な違和感を覚えつつも、
再び微笑んだシスター・セレナの、
蜂蜜みたいに甘いその表情にどきりとなった。
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