姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
「は、えーと、うち別にペットとかは…
…あー、でも一応水槽でカメ飼ってるんですけど、俺生臭いですか?」
セレナさんの言っている事の意味が分からなくて、
俺は奇妙な言い訳をしていた。
そういや最近水槽洗ってやってないから水が真緑だな、とか、
でもどうせ冬眠に入っちゃったから、
ベランダに水槽ごと放置プレイなんだよな、
とか関係無いことばかりが頭に浮かぶ。
「いいえ、そういったものの匂いではありません。
……ですが、もしよろしければ、これをお持ちください」
すると、セレナさんは修道服のポケットから、
お守り袋のようなものを取り出した。