姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①

帰宅後の告白

家に帰ると、鍵がかかったままだったので、
姉さんがいないことはすぐに分かった。

だが、エリアルの靴はきちんと端に揃えてあったので、
わざと「ただいま」を言わずに家に入った。


「おかえり、孝」


俺は、リビングで新聞を読んでいたエリアルの前を、
無言で通った。

さすがに家の中で今まで外で突いていた、
松葉杖を使用するわけにはいかないので、
『けんけん』だから恰好はつかないけど……。
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