姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
『あなたの匂いの中に、奇妙な片鱗を見付けました。
ヒトの匂いとは別の、生き物の匂いを……』
気付いたら、口走っていた。
「……お前の所為だ」
「は?」
エリアルは、素っ頓狂な声を出した。
「シスターが、俺から変な匂いがするってさ。
ヒト以外の、って…
…やっぱ、聖職者とかってそういうの分かるもんなのかな。
……それで渡されたんだよ」
途端に、エリアルの表情が険しくなった。
何だ何だ?
「……そのシスター、何て名乗った?」