姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
「そう。
何より、『エステバン』って名乗った事が、何よりの証拠だ」
「何で?」
すると、エリアルは呆れ返ったような眼で俺を見た。
「……君、おかしいと思わないのかい?
僕と同じ苗字で」
「同じ?……あっ」
そういえば、こいつも確か……。
「ヨーロッパをふらふらしてた時から、
標的の苗字を名乗って狩りをする輩の噂は聞いてたからね……。
ロンドンのバーで不用意に名乗っちゃった時に、
しまった、とは思ったんだけど……」
「後の祭り?」