姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
「そう。今考えてみたら、馬鹿だった……。
ていうか孝、君ちゃんと僕の名前憶えてなかったんだね……」
「そんなんどうだっていいだろ」
きまりが悪いのを何とか誤魔化して、話を戻した。
「でも……無理じゃないの?
だって、セレナさん華奢だし弱そうだし…
…何より、女の人だぞ?」
「……連中には体格も性別も関係無い。
それにしても、まさかここまで追って来るとはな」
「だーかーら、人違いなんじゃないの?」
俺としては、人違いであって欲しい。