姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
だって、まさか……という思いの方が強い。
仮にこいつを追っている殺し屋がいるとして、
何もそれがセレナさんじゃなくてもいいじゃないか。
「いや、僕は確信した。何よりこの袋……」
エリアルが、テーブルに置かれたお守り袋を指差す。
「これ、呪詛だよ。
それも、相当古いやり方の……」
エリアルが、顔を顰めた。
だけど……まだ信じられない。
俺が言葉に詰まっていると、
エリアルはひょいひょいとお守り袋を開けていた。
こいつ…勝手にー!
「あった。呪譜だ」