姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①

エリアルは、お守り袋から一枚の紙を抜き出すと、
ぴちんと指で弾いた。

紙は正方形で、黒インクで魔方陣のような絵が描かれていた。

「護符の間違いだろ?
あ、でもあんたにとっちゃ呪いか……」

「君にとっても、だよ。
……あの狐め」


エリアルは舌打ちをすると、僕の後ろを見て固まった。


嫌な予感がした。

ゆっくり振り返ると、そこには……。


呆然と立ち尽くす、姉さんの姿があった。
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