姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①

異変(小夜子サイド)

小夜子は、ホームに降り立った時から、
どうも何かが変だ、と思っていた。

誰かに見られているような気がする。

ドラマや漫画で、時々見かけるシーン。

作り話だと思っていた感覚に近いものを、今感じている。



気味が悪い……。

駅から家までは、徒歩でもさほど時間がかからない。

駐輪場定期の事を考えたら、自転車を使うほどの距離でもない。

だが小夜子は、この日ばかりは一人で帰る事を後悔していた。

これじゃ、前の二の舞じゃない……。
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