姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
泣きたい気分だった。

姉さんの帰りが遅い時、こいつはそれでも姉さんの行方を知っている。
なんで、お前なんかが……!


俺が睨むとエリアルは素直に、

「すまない」

と頭を下げた。

珍しく勝った気がしたが、こればっかりは許せない。

だが、

「これは、僕の責任だ」

「は?」

俺が眉を寄せるとエリアルは、

「着替えて来る」

と一言残して、
さっさとリビングから出て行ってしまった。
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