告白 1&2‐synchronize love‐
あたしの名札には『さかい』と苗字しか書いてないのに。
「そ…そうですけど」
「ふぅん。…あたし、ハルカっていうの。うちのヘラ男から話しは聞いてる?」
ヘラ男?
ヘラって…恭一?
あたしが知っているヘラ男といったら、あの男しかいない。
「…恭一のことですか?」
でもこの強烈な美人が、どうしてアイツを?
「そう。なんだかアイツが、迷惑かけてるんじゃないかと思って」
「…何、が……」
「アイツって強引だから、大変でしょ? うっとうしいなら、そう言ってもいいんだよ。あなたがずっと付き合うことないんだから」
「………」
「それだけ言いたかったの。じゃあね」
バイトがんばって。
ハルカと名乗った美人は、あたしの手をスイと撫でて、そう微笑みながら出ていった。
見事なネイルアートがほどこされた細い手は、一瞬触れただけなのに、ひどく冷たく感じた。