告白 1&2‐synchronize love‐
何あれ。
事情は全部知ってますってカンジだった。
ふうん、なるほどね。
あのヘラヘラ男。
あたしにはもったいぶっておいて、美人の彼女にはぜんぶ話しちゃってるワケだ。
あたしには思い出せない、あたしと『深田恭一』との過去を、彼女は知ってるんだ。
ハルカという女の残り香に、吐き気がこみ上げる。
嫉妬じゃなくて、もっと深くて冷たくてドス黒い、嫌な感情。
「美緒、だいじょうぶ…?」
ヒカルはバイト中ずっと、あたしを心配そうに見ていた。
でもそれに笑って返せる余裕もなく、レジ操作もミスを連発してしまった。
嫌だった。
いまのこの気分が。
自分自身でもよくわからない、このドス黒い感情が。
すぐにでもその感情の渦から逃げ出したい。
最終的にはそれしか考えられなくなっていた。