告白 1&2‐synchronize love‐
彼女がここに現れたことを知っているのか、いないのか。
恭一はいつも通り、店の前で待っていた。
「二人ともおつかれ~」
普段通りのヘラヘラ顔。
今日は無性にイラついた。
「美緒…」
「…大丈夫。ヒカルは先帰って」
「でも、は、はやまったこと、しない?」
ヒカルがこわごわ訊いてくるから、つい笑う。
あたしが恭一を刺すとか思ってるんだろうか。
それくらい、今日のあたしは苛立ちを全面に出していたってことで。
なんだか申し訳なくなった。
「しないって。おつかれ。気をつけて帰ってね」
「うん…美緒もね」
ヒカルはしきりにこちらを気にしながら帰っていった。
その背中が見えなくなるまで待って、あたしは小さく息を吐く。
「美緒ちゃん? どうかした?」
恭一が赤いメットを差し出しながら訊いてくる。
たぶん、彼女が来たことを知らないんだ。
あたしは、そのメットを押し返した。
「美緒ちゃん?」