告白 1&2‐synchronize love‐
「美緒ちゃんはそういうコト、言わないよ」
また強く断言するように言われ、頭にカッと血がのぼるのを感じた。
「は? あたしのことわかってるみたいに言わないで。アンタが知ってるのはあたしの過去でしょ。それをあたしに思い出してほしくて、付きまとってんでしょ」
「…………」
「…あたしも自分の過去はちょっと気になるから、いままで付き合ってやったけど。思い出せそうにないし、もうやめた。あんたもあきらめれば? 損も得もないんでしょ」
「だからこそだよ」
まくしたてるあたしに対して、恭一は冷静に、めずらしく真剣な顔をしてあたしを見た。
少し、こわい顔。
締まりのある顔もできるんじゃん、なんて余裕のある考えはこの時は浮かばなかった。
「損得じゃないから、あきらめたくないんだ」
またそれか。
ラーメン屋でもそんなことを言っていたけど、それっぽっちの言葉であたしが理解できるわけないじゃないか。