告白 1&2‐synchronize love‐

抜け道

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「…いさん……酒井さん」

「え?」


午前の授業中、ぼんやりと窓に目を向けていたあたしは、三上くんの声で我に返った。

三上くんはプリントの束を持ってこっちをまっすぐ見ていた。


「どうしたの」

「ごめん。…ちょっとぼーっとしてた」


謝って、回ってきたプリントを後ろに渡す。


「今日もノート貸そうか?」


眼鏡を指で押し上げながら、三上くんが小声で言う。

おっと、またイヤミか?

でも三上くんて、あんまり笑わないし、冗談なのかどうかよくわからないんだよね。

そのまま彼は前に向き直る。

不思議な人だな。

そう思いながらプリントに折り目をつけようとしたら、紙の下に何かがあった。

なんだろ?

プリントを持ち上げて、あたしはちょっとびっくりした。

『眠気スッキリ!!』

って書いてあるブラックガムが一枚、机の上に置いてあった。

もしかして、いま三上くんが?

わかりにくいなァ…。

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