告白 1&2‐synchronize love‐
優等生の背中に向けて、心の中で「ありがとう」を唱え、ガムを口に放り込む。
刺激的なミントの辛さが舌の上に広がる。
でも、やっぱり頭は冴えないままだった。
昨日の夜、恭一の前から逃げて家に着いても、恭一からずっと電話やメールがきていて。
仕方がないから着信拒否を設定し、メアドもすぐに変えた。
おかげで静かになったけど…
あたしの心は晴れない。
だったらどうしたら良かったの?
あんなコト、言わなければ良かった?
いや、言わなかったとしても、きっと心は晴れなかったはずだ。
この暗い気持ちはどこからきてるんだろう。
嫉妬?
ちがう。
そうだとしても、それは恋とかじゃない。
あのハルカって人が、あたしの知らない『あたしの過去』を知ってたから。
恭一があの人に、ぜんぶしゃべってるってわかったから。
ムカついてあたりまえだ。
別に、この感情は特別なものなんかじゃない。
あたしはそう、自分に言い聞かせた。