告白 1&2‐synchronize love‐
「はやく帰れよなー…」
あたしは仕方なく、掃除の終わった教室に一人、残ることになり。
帰る準備は万端なのに、帰れない。
ユリがさっきまで付き合ってくれてたけど、彼氏に呼び出されてウキウキした顔で帰っていった。
イケメンに弱くてキャーキャー言ってても、なんだかんだ彼氏が好きなんだ。
ある意味ユリは、自分に素直なんだなと思う。
日が暮れはじめても、金髪はまだ校門の前にしぶとくしゃがんでいる。
「もう…あきらめて、帰ればいいのに」
大学生は忙しいって、言ってたじゃん。
バンドもあるし、あの強烈に美人な彼女とデートもしなきゃなんないんでしょ。
なんて、
余計なことを考えてしまって、ため息をつきながら机に突っ伏したとき…
「…ほら、あいつだよ」
「二股かけてんでしょ?」
「コータ先輩と? ありえな~い!」
「つーかマジキモいよねぇ」
そんな笑い声が、すぐそばの廊下から聞こえてきた。