告白 1&2‐synchronize love‐
「もう少し噂が落ち着くまで、続けさせてな」
二度も先輩をフッたあたしを、昨日の店でそうやって彼は、まだ守ると言ってくれた。
それに対してあたしは、いらないとも、ありがとうとも言うことができず、ただ頷いて返した。
店を出る前に、あたしはずっと気になっていたことを訊いてみた。
「どうして…あたしだったんですか?」
フッておいてこんなことを尋ねるのも、失礼かなと思ったけれど、コータ先輩は気にした様子もなく答えてくれた。
「たぶん美緒は覚えてないと思うけど。前に俺、美緒に怒られてんだよ」
「…あたしが? 先輩を?」
「美緒が入学してすぐだったと思う。バスの中で」
まったく覚えがなかったあたしに、先輩は「やっぱりな」と笑った。