告白 1&2‐synchronize love‐
言っておくけど、あたしのテディベアの背中には、ファスナーなんかついてない。
いつもより急ぎ足で家に帰り、自分の部屋のベッドの上で、その問題のテディベアと対峙した。
このテディベアの他に、部屋にはぬいぐるみはない。
白と黒と茶色で統一した、女にしてはかわいげも色気もない殺風景とも言える部屋。
この部屋でぬいぐるみなんていう少女趣味な存在は、一体だけだ。
元は白だったけど、いまはもう黄ばんで少し変色したクマ。
いつからこのクマを持っているのか、あたし自身あまり覚えていない。
確か、お父さんか誰かに買ってもらったんだと思うけど…
なんでこのテディベアの存在を、あいつが知ってるワケ?
うーんと唸りながら、何気なくクマをひっくり返す。
そしてあたしは、それまで気づかなかったことに気がついた。