告白 1&2‐synchronize love‐



言っておくけど、あたしのテディベアの背中には、ファスナーなんかついてない。

いつもより急ぎ足で家に帰り、自分の部屋のベッドの上で、その問題のテディベアと対峙した。

このテディベアの他に、部屋にはぬいぐるみはない。

白と黒と茶色で統一した、女にしてはかわいげも色気もない殺風景とも言える部屋。

この部屋でぬいぐるみなんていう少女趣味な存在は、一体だけだ。

元は白だったけど、いまはもう黄ばんで少し変色したクマ。

いつからこのクマを持っているのか、あたし自身あまり覚えていない。

確か、お父さんか誰かに買ってもらったんだと思うけど…


なんでこのテディベアの存在を、あいつが知ってるワケ?


うーんと唸りながら、何気なくクマをひっくり返す。

そしてあたしは、それまで気づかなかったことに気がついた。

< 15 / 790 >

この作品をシェア

pagetop