告白 1&2‐synchronize love‐
つまりはそれが答えだ。
やっぱりそうなのか。
恭一がこれまであたしにくれた温もりはすべて…
妹を想う、兄の優しさだったのか。
「美緒ちゃん…思い出した、の?」
震えているような声を聞いて、あたしは目の前の胸を押し返した。
距離をとって、写真を差し出す。
「この写真…っ! なんで、美緒ちゃんが…」
写真から顔を上げた恭一は、あたしを見て目を見開く。
でもきっとコイツは、あたしが泣いてる理由なんて、これっぽっちもわかっちゃいないだろう。
それでいい。
シルバーリングが光る手が伸びてきたから、あたしは一歩退いた。
「触らないで」
「み、美緒ちゃん」
「いいから。…そのままで、話して。全部、聞かせてよ」
流れた涙はすべて、アスファルトに吸い込まれていった。
せめて一緒に、この絶望も吸い込まれていってしまえばいいのに。
そうしたら、あたしに残るのはなんだろう?
ただ、虚無感ばかりか。
笑いたかったのに、あたしはいま、笑い方を忘れてしまっていた。
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