告白 1&2‐synchronize love‐
でも恭一のお母さんは、お父さんには何も望んでいなかったらしい。
慎ましやかな七才の恭一との暮らしは、充分幸せで満ち足りているからと、
お父さんに改めてきちんと別れの言葉を言った。
でも、お父さんはそれで終わらせられなかったんだろう。
恭一のお母さんへの気持ちはもう、過去のものになっていたかもしれないけれど、
息子となる恭一のことは気にかけずにはいられなかったんだ。
当たり前だよね。
気にかけずにいる方が難しいよ。
お父さんはそれから時々、休みの日にあたしを連れて、恭一と会うようになった。
もちろん、お母さんには秘密だっただろう。
それがあたしの…
あたしと恭一の、十年以上の月日の中に埋もれていた、過去だった。