告白 1&2‐synchronize love‐
――
――――
今日の授業、あたしはほとんど上の空だった。
普段は昼寝もしない、携帯もいじらないで、まじめに黒板を板書しているあたしが、今日はシャープの芯をまったく減らさなかった。
「三上くん、今日の数学と物理のノート、貸してもらえない?」
帰りのSHRが終わって、前の席の優等生に声をかけた。
三上くんは縁なしのメガネを指で押し上げながら、物珍しそうにあたしを見た。
「いいけど。数学と物理だけでいいの?」
「あー…じゃあ、できれば英語も」
三上くんのノートは、前にちらっと見たことがあるんだけど、すごくきれいで見やすい。
字も丁寧だし、ごちゃごちゃしてない。
さすが優等生。
「珍しいね。酒井さんがノートとってないなんて」
「まあ。ちょっと考え事してて」
「へぇ? …はい、どうぞ」
「ありがと。明日返すから」
ノートを受け取ってそう言うと、三上くんは軽く首を振った。
――――
今日の授業、あたしはほとんど上の空だった。
普段は昼寝もしない、携帯もいじらないで、まじめに黒板を板書しているあたしが、今日はシャープの芯をまったく減らさなかった。
「三上くん、今日の数学と物理のノート、貸してもらえない?」
帰りのSHRが終わって、前の席の優等生に声をかけた。
三上くんは縁なしのメガネを指で押し上げながら、物珍しそうにあたしを見た。
「いいけど。数学と物理だけでいいの?」
「あー…じゃあ、できれば英語も」
三上くんのノートは、前にちらっと見たことがあるんだけど、すごくきれいで見やすい。
字も丁寧だし、ごちゃごちゃしてない。
さすが優等生。
「珍しいね。酒井さんがノートとってないなんて」
「まあ。ちょっと考え事してて」
「へぇ? …はい、どうぞ」
「ありがと。明日返すから」
ノートを受け取ってそう言うと、三上くんは軽く首を振った。