告白 1&2‐synchronize love‐
紅茶をいれて、二人でケーキを食べた。
甘い。
美味しいんだと思うけど、いまはあまりそう感じられなかった。
食欲がないせいもあるだろう。
「実はさぁ…」
ヒカルはケーキにフォークを刺した状態で静止した。
「あたしも失恋しちゃったの」
「え…また?」
『また』なんて失礼な言い方だけど、ヒカルの場合には失礼にならないからあたしは言った。
ヒカルはカワイイからモテる。
これまで何人にも告白されて、断ることができないコだから付き合って、そしていつも一ヶ月しないうちに別れている。
「またフッたの?」
「なにそれー。いっつもフラれてるのはあたしだよ」
「違うでしょ。あれはヒカルがフッてるようなモンだよ」
ヒカルは不満そうに、フォークに突き刺したケーキを口に放り込んだ。
ヒカルは確かに、彼氏に自分から『さよなら』を言ったことがない。
別れを切り出すのはいつも男から。
でも、言わせてるのはヒカルだとあたしは思う。
もちろん意図的にじゃないだろうけど。