告白 1&2‐synchronize love‐

あまり彼氏に本気になってないというか、『あたし今、恋してます!』という輝きが、ヒカルにはないんだ。

ヒカルはそれに、自分じゃ気づいていないから、いつも『フラれ』ている。


「ヒカルさぁ…他に本命がいるんじゃないの?」

「いないって~。いたらこんな風になってないよ」

「まあそうだろうけど。なんか、彼氏より大事なモノがあるってカンジだから」

「ん~…まあ、本命とかじゃないんだけど…」

「やっぱりいるんだ」

「そういうんじゃなくて! …約束なんだけどね」

「約束?」

「うん。…十年後に、また会おうって約束。好きとかじゃなくて、なんか約束自体が大切ってゆーか…」


少し遠い目をしてヒカルは言った。

十年、か。

あたしと恭一が再開したのも十年後だ。


「向こうは約束なんて覚えてないかもだけど」

「そんなことないでしょ。会えるよ、きっと」


でもきっとそれまで、ヒカルはこのまま前に進めないでいる気がした。

それはあたしも、一緒だった。







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