告白 1&2‐synchronize love‐
「別に急がなくていいよ」
優等生は笑うでもなくそう言って、一人で帰っていった。
彼は物静かだ。
クラスの他の男子たちみたいにバカ騒ぎはしない。
言動は落ち着いているし、一人でいることが多く、大人びている。
あたしは彼がキライじゃない。
友だちとして。
今日はバイトだ。
もう行かなきゃと鞄を持って、ふと窓を見ると…
「げ。」
校門の前に見覚えのある金パツ。
おまけに生徒指導の先生が、金パツに近づいていくのが見えた。
絶対不審者だと思われてる。
「なにやってんのよアイツ…!」
ほっとけばいいのに、あたしは急いで教室を飛び出していた。
別に深い理由はない。
助けるというよりも、あのテディベアのことを訊くために行くだけだ。
そのついでに助けてやるだけ。
そう自分に何度も言い聞かせながら、あたしは廊下を走っていた。