告白 1&2‐synchronize love‐
第三の目
5限目の授業ギリギリに教室に入ると、ユリたちが「大丈夫?」と集まってきたから、あたしは三上くんにお礼を言うことが出来なかった。
先生が入って来ちゃったから、すぐ席に着く。
前の席は三上くん。
細身な背中は優等生らしく、ピンと張っている。
あたしは少し考えて、ノートの隅にペンを走らせた。
『朝は迷惑かけてごめんなさい。
それと、ポカリありがとう』
書いた部分をちぎって、前の背中をツンとつつく。
三上くんはメガネを直しながら振り返り、メモを受け取ってくれた。
それからあたしは授業を聞く気にはなれなくて、鞄に入れっぱなしだった携帯を、机の下でこっそり開く。
ヒカルからの、体調を心配するメール。
午前中にユリが送ってくれていたメール。
…恭一からの連絡はあれからない。
あたしから、電話もメールもしないでって言ったっていうのに。
なんでさみしく思うかな。
声が聞きたいなんて思うかな。
まだ会えない証拠だ。