告白 1&2‐synchronize love‐
――
―――――




目が覚めた場所は、自分の部屋のベッドだった。


カーテンからもれる月明かりに、テディベアがぼんやりと照らされていた。

少しフラつきながら立ち上がり、時計を見ると9時を過ぎたところだった。
まだバイトをしている時間だ。

確かあたしはまた倒れて…。

どうやって帰ってきたのかまるで思い出せない。

リビングに下りると、1人ソファーでテレビを見ていたお母さんか、心配そうな顔で「大丈夫?」と聞いてきた。


「どこか悪いんじゃないの? 明日にでも病院行こう」

「平気だから。…それより、あたしどうやって帰ってきたの?」

「ああ、男のコがタクシーで送ってくれたのよ。バイトの人? 金パツの、ちょっとカッコイイ感じのコ。深田くん、て言ってたかしら」

「恭一が!?」

「あら。もしかして、あんたの彼氏? やるわねー。かわいくて、礼儀正しくて、お母さんイイと思うわ」


…礼儀正しい?

あのヘラ男が?

それほんとに恭一だったのか?

あたしはパジャマの上にカーディガンを羽織り、ソファーに座る。

お母さんがホットココアを入れてくれたところで、ようやく重要なコトに気づいた。


「…お父さんは?」

「まだよ? 今日も残業ですって」


とりあえずほっとした。

鉢合わせていたら、アイツはどうするつもりだったんだろう。

< 192 / 790 >

この作品をシェア

pagetop