告白 1&2‐synchronize love‐
電話を終えた恭一が振り返る。
「ごめん美緒ちゃん。呼び出しかかっちゃった~」
「新しい人、決まったの?」
「や、決まったワケじゃなくて見つかっただけ。これからメンバーとプロダクションの人と審査みたいなことすんだって」
「ふーん。…決まるといいね」
「んー…俺はあんまり」
「でも決まんないとデビューできないんでしょ?」
「デビューしたいとは、俺思ってないもん」
軽く笑って、恭一はあたしに赤いメットをかぶせる。
それはウソだよ。
そういう気持ちなら、本気なハルカさんを前にそんなダラダラしてられないでしょ。
あんたなら、とっくに辞めてるでしょ。
「ねぇ、恭一」
「んー?」
「…あたし、あんたのコト大好きだから」
原チャにまたがりながら言う。
前に座った恭一は、ゴールをかける前に振り返り、あたしの頭を撫でた。
「俺も。美緒ちゃんを世界でイチバン愛してるゾ」
「…ばーか」
これで、あたしのけじめはついた。
あたしたち兄妹は、前に進むべきなんだよ、恭一。