告白 1&2‐synchronize love‐
お父さんは懐かしそうな目でテディベアを見つめる。
「…恭一、自分の正体言わなかったんだ。あたし自身に思い出してほしいんだって」
「そうか…」
「で…あたしは恭一の正体に気づく前に、アイツを好きになってたの」
「美緒…」
お父さんの眉間のシワが深くなる。
あたしは笑ってみせた。
「大丈夫。もうその気持ちは忘れるコトにしたから」
「………そうか」
「うん。…お父さん、どうする? 恭一に会いたいとか、思わない?」
お父さんは小さく息を吐いて、首を振った。
「恭一くんは、なんて言ってるんだ?」
「恭一は…お父さんにも、もちろんお母さんにも会うつもりはないって。恭一のお母さんも、あたしと会ってるコトは知らないんだって」
「そうか…なら、会うべきじゃないな」
お父さんは寂しげに笑って立ち上がり、あたしの頭を撫でた。
悪かったな。
大きな手は、そう言っているようだった。