告白 1&2‐synchronize love‐
自分の中にあった、固くて冷たい石みたいなものが、雪みたいに溶けていくのを感じた。
「お父さんっ」
部屋を出ようとしたお父さんを呼び止めて、あたしも立ち上がる。
テディベアを抱きしめながら、ずっと訊きたかったことを口にした。
「どうして…あたしを連れてったの?」
「…?」
「昔…恭一と会う時に、あたしも連れてったのはどうして?」
あたしの問いに、お父さんは考えるそぶりも見せず、なんだか若返ったような微笑みを見せた。
なんだか、なつかしい感じのする笑顔。
「恭一くんだ」
「え?」
「彼が、妹に…お前に会ってみたいと言ったんだ」
「恭一が…」
「一度だけのつもりが、お前たちがあまりにも仲良くなるもんだから…何度でも会わせたくなったんだよ」
そう言って、お父さんは部屋を出ていった。
あたしはその夜、テディベアを強く抱きしめて眠った。
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