告白 1&2‐synchronize love‐
三上くんは自分の卵焼きを、あたしのお弁当箱にポイと移した。
「俺、卵焼き好きなんだ。覚えておいて」
「う、うん…?」
「あのさ、酒井さん」
「…はい」
「好きなコにそういうことを言われて、イヤだと思う奴はいないと思うよ」
冷静な声で言って、三上くんは小さく笑った。
なんか…三上くんから告白されたはずなのに、あたしが告白したみたい。
よろしく、と右手を差し出されたので、あたしは反射的にその手を握った。
これで、お付き合いが始まったってことなんだろうけど…
さすが優等生。
交際宣言ていうより、業務提携の交渉成立ってカンジ。
それからあたしは三上くんに、恭一のことを話した。
異母兄妹であることも、そうとは知らずにあたしが恭一を好きになってしまったこともすべて。
三上くんはそれを、静かに横で聞いてくれていた。
どうしてだろう。
吹く風は冷たいのに、寒さはあまり感じなかった。