告白 1&2‐synchronize love‐
「あの、恭一。彼は友だちは友だちだったんだけど…」

「あ、やっぱり? 名前は? 俺は深田恭一っていうんだけどね」


話しを聞けこのヘラ男。
ますます言いにくくなっちゃうっていうのに。


「三上です」


三上くんは気にした様子もなく答える。

もしかしたら彼もまた、恭一とは違ったマイペースな人かもしれない。


「三上くんかァ。いつも美緒ちゃんと仲良くしてくれてありがと~う」


お母さんかアンタは。

やっぱり恭一に勝てるマイペースな人間なんかいないんだろう。

どっと疲れが押し寄せたと感じた時、


「いえ。これからも彼氏として、仲良くさせてもらいたいと思ってるんで」


なんて、三上くんの冷静な声。

顔はいつも通り、平然としていた。

彼の表情のレパートリーには、『動揺』というものがないのかもしれない。

恭一を見ると、あのヘラヘラ顔のまま固まっていた。

< 238 / 790 >

この作品をシェア

pagetop