告白 1&2‐synchronize love‐
あたしも同じようにガラス越しに彼を見る。
そしてゆっくりと、固く握っていた手を緩め、彼の手にただ優しく包まれた。
「…泣かないの?」
「え?」
「あの人と、何かあったんでしょ?」
「どうして…そう思うの?」
やっぱり千里眼かと思ったら、三上くんは肩を小さくすくめてこう言った。
「だって酒井さん、ひとりじゃない」
言われて納得する。
いつもあたしを家まで送っていた恭一がいなくて、あたしが一人でコーヒーショップでお茶してたら、何かあったなんて簡単に想像がつくだろう。
「ありがとう…。でも、アイツのコトではもう泣かないって、決めてるの」
「そう」
三上くんは「泣いてもいいのに」とか、そんな甘えたくなるようなことは言わず、ただあたしの右手を包む手の力を強めた。
それだけで、充分癒される。
彼の温もりは、柔らかな毛布のように心地良い。
「酒井さん」
「ん?」