告白 1&2‐synchronize love‐
名前を呼ばれ、あたしはガラスから本物の彼へと顔を向けた。
すると微かな笑みを口元に浮かべながら、三上くんはゆっくりと顔を寄せて…
気づけば唇を合わせていた。
静かなコーヒーショップ店内の時間が止まった。
たぶん5秒もせずに彼の薄めな唇は離れたと思う。
突然すぎて、『キスをした』という事実をすぐに飲み込めなかった。
ただ唇の感触だけがリアルで、握られたままの右手は動かせないから、左手を口元に持っていく。
「少しでもキミが、悲しいコトを考えなくてすむように」
おまじないだよ。
まるで子どもに言い聞かせるような口調だった。
「出ようか。送るよ」
三上くんが席を立つ。
同時に彼の手も離れ、温もりがゆっくりと消えた。
そこでハッとして店内を見ると、少ない客の目がちらちらとこっちを向いていた。
そりゃ見られてますよね。
あたしは慌てて会計に向かった三上くんを追いかけた。
―――――
――