告白 1&2‐synchronize love‐

何がLOVEだよ。

二度と会わないなんて、考えていたくせに。

そんな風にマネキンを複雑な気持ちで見つめていたら、ヒカルに不振げに顔をのぞきこまれた。


「おーい、美緒~? どうしたの?」

「ああ…ごめん。なんでもないよ」

「そう? ところで…深田さんからは、何か連絡あった?」


遠慮がちに訊かれて首を振ると、ヒカルはとてもがっかりしたような表情になる。


「なんか深田さんて、色々ナゾな人だよねぇ…」

「…そうだね。あんなヘラ男なのにね」


わざと明るく言ったけど、ヒカルは笑ってくれなかった。

それだけで、ヒカルはあたしの複雑な気持ちに気付いているんだとわかった。

相変わらず、抜けてるように見えて、意外と鋭い。

そんな親友に、あたしは情けない笑顔しか見せられなかった。






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