告白 1&2‐synchronize love‐
恭一はあたしのことをなんでも知っているのに、あたしはアイツのことを何も知らない。
住んでいる場所、通っている大学、家族構成、恋人の有無。
何も知らない。
でもどうしてか、何も知らないはずのあのヘラ男のことで、頭がいっぱいになる。
出会った日の不審者ぶり。
動物園に行った時のはしゃぎよう。
二人でブランコをこいだ時の大ジャンプ。
原チャで街を流す時、感じていた体温。
銀三で見た、子どもみたいな寝顔。
時折見せる、何かに耐えるような表情。
つらいこと、悲しいことをいつだって忘れさせてくれる、底抜けに明るい笑顔。
恭一を想う時、あたしの胸は張り裂けそうになる。
アイツのことは何も知らないけれど、それでもあの締まりのない笑顔が好きってことは確か。