告白 1&2‐synchronize love‐
「静かで落ち着いた雰囲気の店だよ。知り合いがオーナーで、小さい頃からよく行ってたんだ」
「じゃあ、三上くんのお気に入りの店なんだ?」
「そうだね。食事も美味しいけど…」
「…けど?」
隣りを見上げると、何だか嬉しそうな顔の三上くん。
年齢に合った笑顔を、あたしは初めて見た気がする。
「行ってみてのお楽しみ。気に入ってもらえるといいな」
イルミネーションよりキラキラと、その横顔は輝いていて。
彼がこの日を楽しみにしてくれていたことに、ようやく気付いた。
いつも落ち着いていて、表情の変化が少ない三上くんの自然な笑顔に、あたしは自分を叱咤した。
イヴのデートで兄とはいえ、他の男のことを考えるなんて、最低だ。
ごめんね、三上くん。
繋ぐ手に力と想いを込めて、あたしは携帯電話の存在を頭から消した。
横にいる人だけを、見る為に。