告白 1&2‐synchronize love‐
「あれ。この本…」
タイトルのない、横に長い長方形の本のページには、おそらくクレヨンで花をはじめとした植物の絵が描かれていた。
絵本だと思ったけれど、文字がない。
植物で統一された絵には、物語がなかった。
ただたくさんの花の絵が、しかも直接描かれている。
印刷されたものじゃない。
「絵本ていうより、スケッチブックみたい…」
美術関係に詳しいわけではないけれど、上手な絵だと思った。
リアルではなく、クレヨンという道具の持ち味をいかした、柔らかで夢のある絵。
花が好きなんだ、ページいっぱいに描かれたその絵から、作者の想いが伝わってくるような。
本には色々な種類の植物が描かれていたけれど、特に多く登場しているのは、真っ青な花弁の大きな花だった。
「綺麗な花。この本て、誰かの画集とかかな?」
あたしが本を三上くんに見せながら尋ねると、彼は笑っているような困っているような、複雑な表情を見せた。
「そんな立派な物じゃないよ。ただの子どもの落書き帳さ」
「落書き?」