告白 1&2‐synchronize love‐
いつも落ち着いている彼でも、こんな風に感情をこめることがあるんだ。
どうやら青いバラには、特別な思い入れがあるらしい。
「元々バラには、青色色素を造り出す酵素を生む遺伝子がないんだ。つまりいくら交配を重ねても、純粋な青色色素を持つバラは生まれない」
「ふうん。だから幻なんだ…」
「そう。存在しないこの花の花言葉は“不可能”」
存在しない花に花言葉があるなんて。
なんだかロマンチックな話だ。
どれくらいの人が、青いバラに挑戦し、敗れていったのだろう。
「ところが最近、青いバラの花言葉が変わったんだ」
「えっ?」
「新しい花言葉は“奇跡”“神の祝福”」
「それって…どういうこと?」
青いバラは実在しないから幻で、不可能の代名詞だったんじゃないの?
三上くんはあたしの疑問に、つまらなさそうな声で答えた。
「数年前に、ある企業が青いバラを造り出すことに成功したんだ。バイオテクノロジーの力でね」