告白 1&2‐synchronize love‐
朝、学校のくつ箱の前で三上くんと出くわした。
低血圧でぼーっとしてるあたしとは違い、優等生は朝からシャキッと爽やかな立ち姿。
「おはよう三上くん」
「おはよう」
三上くんは上靴にはき替えながら、くすっと笑う。
「なに?」
「いや。…ご機嫌だなと思って」
「え? あたしが?」
「ちがった? 鼻歌なんて歌ってたから」
うそ。
あたし、歌ってた?
全然意識していなかった。
しかも三上くんに聴かれていたなんて、恥ずかしい…。
深田恭一がよく鼻歌うたうから、移ったのかも。
「なんだか最近の酒井さん、楽しそうだね」
三上くんに言われて、あたしは首を傾げた。
楽しそう?
自覚はないけど。
「まあ…楽しくなくはない、かな」
「へぇ。前はあんまり楽しそうな顔、してなかったよね」
優等生の言葉には、引っかかるものがあった。