告白 1&2‐synchronize love‐
一体どうしたっていうのか。
「……あ、わかった。アレでしょ。“俺は音楽と共に生きる”みたいな」
冗談のつもりで言ったそのセリフに、恭一はわずかに体を震わせたようだった。
「恭一…?」
恭一はゆっくり顔を上げた。
でも中途半端に伸びた金髪のせいで、顔が隠れてしまっている。
表情が見えない。
ただ、笑う為にあるような大きな口が動いたのは見えた。
その小さな声があたしの耳に届いた直後。
あたしの顔と恭一の顔が、重なった。
閉じられた瞼、長い睫が伸びた金の前髪の隙間から見えた。
この至近距離は、恋人の距離。
冷えた唇のカサついた感触は、恋人同士だけの秘密。
一時間と少し前に、時計広場で三上くんと交わした、恋人同士にのみ許された愛の約束。
それをいまあたしはもう一度、恭一と…?
あたしの思考が麻痺している間に、恭一の唇が離れた。
また、髪で顔が見えなくなる。
あたしを抱いていた長い腕も離れ、恭一は一歩、後ろに下がった。