告白 1&2‐synchronize love‐
発車時刻ギリギリに乗り込んだバスは、時間が時間だけに客がまばらだった。
制服を着ている客はあたし以外二人ほどしかいない。
前の方の一人掛けの席に座ってすぐ、バスが動き出す。
くもった窓に、ため息を吹きかける。
マフラーを緩めようと手をかけたとき、指先に首元のネックレスが触れた。
大丈夫。
あたしが好きなのは…。
あたしが今好きなのは、三上くんだ。
バスの揺れに眠気を誘われて、まぶたが徐々に落ちていく。
いけない。
寝過ごしたら遅刻決定だ。
こんな日に限って、ユウナ先輩からもらったMDを忘れてきてしまっていた。
あの中の曲を聴いていれば、少し元気になれるのに。
MDの最後、ユウナ先輩も好きなバンドの曲を頭の中で歌いながら、ぼうっとしていると。
しばらくして突然、目の前に恭一の顔がひょこっと現れた。
前の席から、こっちを振り返ったんだ。
何でコイツがここに?
驚いて声も出せずにいると、恭一はいつもの調子でヘラっと笑った。
「ごめんね美緒ちゃん」
また、ごめん?
何に対して謝っているの?
「全部、嘘だったんだ」
………え?