告白 1&2‐synchronize love‐
「これまでのことは、全部嘘だったんだよ。俺が美緒ちゃんの兄貴だっていうのも、テディベアのことも、ぜーんぶ嘘」
いつも以上に明るくそう話す恭一の首には、昨日あたしがあげたマフラーが巻かれていた。
恭一の顔が、ぐっと近付いてくる。
つい唇に、目がいってしまう。
「だからね美緒ちゃん。俺と付き合おうよ」
突然、何を言っているの?
あたしは動くことも、言葉を返すこともできず、ただ口をパクパクさせる。
「美緒ちゃん、俺のこと好きだったんでしょ?」
恭一の長い指が、マフラーの端をつまんであたしに見せた。
あのトライバルが、目の前で揺れる。
「俺も実は、美緒ちゃんのことが…」
恭一のセリフの途中で、強い振動を感じてあたしはハッとした。
すると目の前にあったはずのアイツの顔は、消えていた。
どうやらあたしは眠ってしまっていたらしい。
なんて夢だ…。
どっと疲れて、あたしは座席に沈んだ。
いまの夢が願望だとは、思いたくなかった。