告白 1&2‐synchronize love‐

その背中に向かって、あたしは心の中で「ごめんなさい」と呟く。

やっぱり、昨日のことは彼には話せない。

秘密なんて作っても、ろくなことにならないとは思うけれど。

なんだかこわくて、言えなかった。

でも、恭一のライブのことは話さなくちゃいけない。

あたしの誕生日にやるというし。

何でその日なんだ。

三上くんに言わないわけにはいかないじゃないか。


もしかして、わざと?


まさか。

わざとあたしの誕生日にぶつける意味がわからない。

そういえば他のバンドと一緒にやるのか、単独ライブなのかもあたしは確認していなかった。

恭一からもらったチケットを、あたしはまだ一度も袋から出していなくて。

何だか緊張してしまって、チケットを見ないままなぜか今日持ってきてしまっていた。

今なら落ち着いてきたし、見てみようかと鞄を開けたところで、担任教師が入ってきてしまった。

仕方なく鞄を机の横にかけ、日直の声と同時に起立した。



< 375 / 790 >

この作品をシェア

pagetop