告白 1&2‐synchronize love‐
「美緒、パンツ気をつけなね~」
「わかってる。ってゆーか上見ないでよ」
大掃除が始まり、あたしはイスの上に立って、教室の窓ガラスを拭いていた。
床拭きをしていたユリが下からあたしを見上げて笑う。
あたしよりスカートが短いユリこそ、下着が見えそうな体制で床を拭いていた。
洗剤が制服にかからないよう注意しながら、あたしは黙々とガラスを磨く。
綺麗になっていく窓から、レンガの校門がよく見える。
そこにないはずのアイツの姿を思い浮かべ、そしてガラスに映った首元のネックレスを目にし、胸が苦しくなる。
モヤモヤとした、重たい淀みものが、あたしの中を満たしていた。
ため息をつきながらイスから降り、雑巾をバケツに放り込む。
中の水が真っ黒になっていたから、あたしはそのままバケツを持ち上げた。
「水替えてくる」
近くにいたクラスメートに告げて、教室を出た。
廊下も大掃除をする生徒であふれていて、水をこぼさないよう慎重に、水飲み場まで移動する。
汚れた水と一緒に、心の澱みも流してしまいたい気分だ。
雑巾をきつくしぼり、水道の蛇口を止めると、不意に肩を掴まれた。
「美緒」
振り返ると、そこには難しい顔をしたコータ先輩が立っていた。