告白 1&2‐synchronize love‐
「びっくりした。おはようございます、先輩。なんでここに?」
ここは一年生の教室がある階だ。
上級生が来るのは珍しい。
その為、いま彼は非常に目立っている。
別のクラスの女生徒たちの目線を感じ、人の少ない階段の方へ先輩を促そうとした時。
「街で会ったあの金髪の人なんだけど…」
コータ先輩の言葉に、あたしは一瞬ドキリとして、雑巾を落としそうになった。
「あの人、バンドやってる?」
「……え?」
なぜそれをコータ先輩が知っているのか。
まさか、昨日あったというライブにコータ先輩がたまたま行ったとか?
驚いて固まっていると、コータ先輩にぐぐっと詰め寄られた。
「あの人の名前何だっけ」
「名前?」
「エイジって名前だっけ?」
「エイ…ジ?」
「何か違うような気もしたんだけど」
予想しない話の流れに、あたしはどう反応していいかわからず、コータ先輩の整った顔を見上げた。