告白 1&2‐synchronize love‐

「そう、それでね。コータ先輩が変なコト言うの」

「変なコトじゃねーよ」

「はいはい。何かね、パパノのエイジに、よく校門にいた美緒の知り合いの人が似てるって」

「遠目だったけどな」


あたしは二人の顔を交互に見ながら、困惑する。


「エイジって…」

「パパノのギターだよ。金髪の、けっこうイケメン」


コータ先輩ほどじゃないけど、なんてユウナ先輩はいたずらっぽくあたしに耳打ちしてきた。

それに笑うこともできず、あたしは彼らの話しを頭で反芻する。


バンド、ライブ、金髪、ギター、エイジ…


共通点はあっても合致しない。

それでも何か、予感めいたものを感じる。


「会場すげー混んでて、前の方は行けなかったんだけど、似てたと思う」

「あたしはエイジの顔はわかるけど、美緒の知り合いの方をちゃんと見たことないしね」


パパノはライブ以外で顔を出さないらしく、確認のしようがなかったそうだ。

「アイツは…バンドはやってるけど、ギターじゃないし。エイジって名前でもないです」

「何やってるの?」

「ヴォーカルって言ってました。名前は…深田恭一です」

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