告白 1&2‐synchronize love‐
「ホントに俺の名前、聞いたことない?」
さっきより、ちょっとだけ真剣な声。
仕方ないとため息をついて、男の顔をじっと見上げた。
高い鼻、垂れ気味の目、反してキリっとした眉、笑うのが得意そうな大きい口。
細身で手足が長く、若干猫背な男は、黙って立っていればカッコイイ部類に入るだろう。
でもとりあえず表情に締まりがない。
こんなヘラ顔、どこかで見たっけ?
深田恭一、深田恭一、フカダキョウイチ……
眉間にシワを寄せて考える。
ただでさえ目がつり気味で、こんな顔したらよけいキツく見えるっていうのに。
でも考えても深田恭一なんて名前に聞き覚えはなく、男の顔にも見覚えはなかった。
「やっぱアンタなんか知らない」
きっぱり言うと、相手はがくりと肩を落とした。
何なんだ一体。
「アンタ誰? 何であたしのこと知ってるの」
「んー…俺が何者かってのは、キミの家族が知ってるかもね、美緒ちゃん!」
男は顔を上げてあたしの肩に手を置き、ウィンクしながらぺ○ちゃんみたいに舌を出した。