告白 1&2‐synchronize love‐
「じゃあ俺行くから」
ハルカさんはため息混じりで言い、くるりと背を向けた。
「あ、待って!」
「…何」
「最後に一つだけ、訊いてもいいですか」
彼はコートに手を入れながら、こっちを見た。
OK、ということだろうか。
「あの……エイジって、誰ですか」
「は?」
「パパノのファンの先輩が…恭一とエイジって人が、似てるって言ってて」
コータ先輩にはハルカさんも一度会っているけど、それを言う必要はないだろうから省いた。
彼はすぐには答えてくれず、しばらくじっと、あたしの顔を見てきた。
本当に綺麗な人。
ヤクザの家の息子より、外国の貴族の息子とか言われた方が、ずっと納得がいく。
でも時折見せる冷たい表情は、確かに迫力があったりする。
「…ライブ、来る?」
小さな唇が動く。
あたしは少し迷った後、頷いた。
「行きます」
とうとう、言ってしまった。
結局はそれが答えなんだ。
兄妹の関係だとか、三上くんへの罪悪感とか、それらをすべて抜きにすれば、あたしの気持ちは決まっていた。
恭一に、会いたい。
それが答え。
残酷なまでにシンプルで、泣きたくなる。